愛媛県議会 2023-02-02
令和 5年少子高齢化・人口減少対策特別委員会( 2月 2日)
委員 新田 泰史
委員 毛利 修三
委員 山崎 洋靖
〇欠席委員[0人]
〇その他の出席者[0人]
〇
出席理事者[7人]
(
企画振興部)
総合政策課長 森居 基修
地域政策課長 一政 恒之
(
県民環境部)
男女参画・
県民協働課長新田 真理
(
保健福祉部)
子育て支援課長 青野 睦
(
経済労働部)
労政雇用課長 吉高 徹
産業人材課長 藤本 朋成
(
教育委員会)
高校教育課長 川本 昌宏
午前10時 開会
○(
西原進平委員長) ただいまから、
少子高齢化・
人口減少対策特別委員会を開会いたします。
それでは、これより議事に入ります。
本日の
会議録署名者に
毛利修三委員、浅
湫和子委員を指名します。
本日の議題は、提言に対する所感と対応についてであります。
それでは、理事者の説明を求めます。
まずは、
総合政策課長から順次お願いいたします。
○(
総合政策課長) まず、本
特別委員会の委員の皆様方におかれましては、
人口減少対策に係る貴重な御提言をいただきまして、誠にありがとうございます。
提言では、本県の
人口減少の大きな要因の一つであります
若年女性の
転出超過に着目されまして、これに対して積極的な対応を求められております。この問題意識は、昨年10月に取りまとめました
人口減少対策重点戦略と方向性を同じくするものでございまして、大変心強く感じているところでございます。特に御提言のとおり、
県内企業が就職先として女性からも選択されるよう、女性が働きやすく
キャリアアップができる地元企業の育成のための
環境づくりを進めることは大変重要なことだと考えております。
このため、
重点戦略に掲げました
人口減少対策の
総合交付金やひめ
ボス宣言事業の拡充による奨励金などの市町や
県内企業の取組に対する支援策など、各部局の取組ともしっかり連携を図りながら、就職活動時期を迎える若者にとってこの愛媛県が働く場、暮らしの場、そして子供を産み育てる場として魅力的な地域となるよう本提言、そして知事公約を踏まえながら実効性の高い取組を進めてまいりたいと考えております。
私からは資料を4つ準備させていただいております。
まず、
人口減少対策重点戦略でございます。これにつきましては、御提言の中でも触れていただいておりまして、既に御案内のとおりでございますけれども、ポイントだけ簡単に申し上げますと、6ページにございます、若い女性の就職時の県外への
転出超過が顕著な本県にとりましては、県外への進学や就職する数以上の方に県内に戻ってきてもらうということが大変重要となっております。
このため、対策の方向性といたしましては、行政だけではなく企業・事業者自らが問題意識を持って変革に取り組み、男性はもちろん女性からも選択されるよう成長することで、若い方が愛媛に就職し、結婚・出産の希望をかなえ、安心して子育てを行い、仕事と家庭の両立ができる環境を整えていきたいと考えております。
こうした環境を実現するための取組につきまして、9ページから15ページにかけてまとめております。この後、担当課からそれぞれ説明がございますけれども、仕事と育児の両立や
女性活躍に向けた
職場づくりなどをはじめ、今回はこれまで個々の事業者の経営判断に任せておりました若年者の雇用や賃金給与の向上にまで踏み込んでおりまして、企業等に期待する取組や支援策などを取りまとめたところでございます。
この
重点戦略の目標といたしましては、16ページにございます、2060年の人口100万人の確保を目指しまして、短期的には2026年に
転出超過の解消、出生数8,500人を目指したいと考えております。これらの目標につきましては、行政だけでの取組では達成は非常に困難であると考えております。市町をはじめ
県内企業や事業者、そして県民の方々が力を合わせて取り組むことで初めて達成ができる、あえて高い目標を設定しております。対策を進めるに当たりましては、
オール愛媛体制で取り組んでまいりたいと考えております。
続きましては、この
重点戦略の資料編でございます。こちらについてはまた後でお目通しいただけたらと思いますので、説明は省略させていただきます。
続きまして、チラシでございます。こちらは今年の成人式の日に新成人となる方々に対して配ったチラシでございます。趣旨といたしましては、来年度予算を待たずに今できることを直ちに取り組もうという趣旨で作成し、配布したものでございます。県内の学生はもちろん、県外から帰省した学生の皆様方に愛媛での就職を意識づけてもらうために各市町の協力を得ながら配布させていただきました。
続きまして、もう一つの資料となります。こちらは先月30日に国、総務省が公表いたしました令和4年の
住民基本台帳の
人口移動報告、これから本県の転入・転出の状況などを取りまとめたものでございます。これにつきましては、既に
新聞報道等もされておりますけれども、概要といたしましては、本県の令和4年度日本人の
転出超過数は3,397人、コロナ禍を受けて近年
減少傾向にありました令和3年の2,522人から875人
転出超過が拡大している状況でございます。
転出の超過先として最も多いのは、東京都で836人、次いで大阪府の554人、兵庫県の278人となっております。県内の市町別では、
転出超過となっているのは松山市や今治市など15市町でございまして、最も
転出超過数が多かったのは松山市の675人でございます。松山市の状況を対前年比で見ますと、昨年の
転入超過356人から1,031人の減少となっておりまして、県内で最も大きな減少幅となっております。一方、松山市周辺の伊予市、東温市、松前町、砥部町、そして鬼北町の5市町では
転入超過の状況となっております。
また、近年、コロナ禍によりまして
減少傾向にありました東京圏への
転入超過数は、行動制限の緩和など
社会経済活動の再開に伴いまして緩やかに増加・拡大の傾向となっております。
この資料、2ページを御覧ください。
2ページは、年齢別、性別で見た転出入の状況でございます。本県の場合は、ゼロ歳から14歳、30歳から64歳、この部分では転入が転出を上回っておりまして、
子育て世代などの移住などが影響しているものと考えております。一方、15歳から19歳、高校卒業時や20から24歳、大学や短大卒業時の
転出超過は依然顕著でございまして、特に20歳から24歳女性の
転出超過が最も多くなっている状況でございます。
同じくページの下は主な転出入先でございます。特に
社会経済活動再開に伴いまして、対東京圏への
転出超過が拡大している状況でございます。
続きまして、3ページでございます。
こちらは本県への転入者と本県からの転出者の状況を
都道府県別に整理したものでございます。転入・転出ともに移動者数は女性よりも男性の方が多い状況でございますけれども、特に東京都、大阪府、兵庫県では女性の
転出超過数が多くなっておりまして、転出後、女性が本県に戻ってきていないという傾向がうかがわれると見ております。
4ページにつきましては、
転出超過の推移と世代分析でございます。上段は
転出超過の推移でございますが、ここ10年ほどではコロナ前の2019年が
転出超過のピークとなっております。世代分析では依然若い方の
転出超過が顕著でございます。
続きまして、5ページ、こちらは市町の状況でございます。先ほども申し上げましたが、今回は松山市の社会減が大きく拡大しておるところでございます。これは松山市周辺の市町に人が流れているということもあろうかと思いますけれども、松山市が県内とか市町からの就職や進学の受皿として県外への流出を防ぐ、いわゆる人口のダム機能が弱まっているのではないかと危惧しておるところでございます。
6ページにつきましては、全国の状況となっております。既に新聞報道でもございましたが、東京都の
転入超過、これが3年ぶりに増加している状況となっております。
簡単でございますが、
総合政策課からは以上でございます。
○(
地域政策課長)
地域政策課でございます。
今回の提言、非常にありがとうございます。また、今回の
特別委員会へ参加させていただくことで、いろんな御意見、新しい情報をいただくことができました。本当にありがとうございます。
私
ども地域政策課におきましては、
社会減対策の手段の一つの移住施策を強力に推進をさせていただいているところでございます。これまで全国に先駆けた
デジタルマーケティングによる
情報発信や東京に専任の
移住コンシェルジュを配置するなどの取組を展開した結果、令和3年度の本県への移住者数は4,910人と、7年連続で過去最高を更新するとともに、令和4年度は上半期で3,000人を超えておりまして、前年度を上回るペースで順調に推移しているところでございます。
また、市町の取組におきましても、
田舎暮らしの本の住みたい
田舎ベストランキングでは、2022年版で西条市が3年連続の
若者世代部門1位になっておりますのと、先月、年明けに発表されました最新の2023年版では、全部門で今治市が1位、西条市が2位となるなど、一定の成果も現れておるところでございます。
しかしながら、2060年の将来推計人口の結果につきましては、
生産年齢人口の半減が見込まれるなど、極めて厳しいものとなっております。また、今回の提言で御指摘いただいたとおり、
若年女性の
転出超過への対応が必要でございまして、
社会減対策の手段の一つである移住施策としては、県外への進学、就職数以上に県内へ戻ってきていただくため、
若年女性をはじめとした
若者世代の
移住促進が課題と考えております。
そこで、今回提出しております資料を御覧いただけたらと思いますが、
田舎暮らしに憧れる
Iターン誘致を軸といたしました従来の
首都圏中心の取組に加えまして、今後は本県に最も近い大都市圏であります潜在的な
Uターン希望者が期待できる大阪圏への
若者世代への
アプローチ強化をしていきたいと考えておるところでございます。
左、2つ目のところにございますけれども、大阪圏への
アプローチを強化し、
若者世代の
移住促進を図るためには、移住へのハードルが低いちょうどよいタイミングで働きかけることが効果的と考えておりまして、例えば結婚や出産、会社の中で管理職となるといったことで生活基盤が固定化する前にライフスタイルの見直しを提案することで、
Uターン移住という選択肢を認知していただくことが必要であると考えております。
それでは、右側に視点を移していただきまして、働きかけを行うメインの
ターゲットといたしましては、
大阪圏在住の25〜30歳、単身、
本県出身者で転職を検討している方あるいは転職なき移住も可能なテレワーカーといった方を想定して展開を進めていきたいと考えております。
下側になります
訴求ポイントでございますけれども、右の青文字でございます。豊かな自然環境や温かい人情に囲まれる
田舎暮らしの魅力という従来の内容に加えまして、Uターンの魅力として家族や友人との縁、地元貢献、将来設計、また、都会とギャップの少ない暮らしやすさということで利便性、
お出かけスポット、
テレワーク環境、
移住者コミュニティーといったようなことを訴えていきたいと。都会的な暮らしやすさの要素も含んだ
田舎暮らしができる
愛媛ならではの都会と田舎の中間、トカイナカと名づけておりますけれども、魅力を発信していくということを想定しております。
具体的な取組内容につきましては、現在検討中でございますが、引き続き
えひめ地域活力創造センターや
移住コンシェルジュ、
地域おこし協力隊OB団体など、多様な関係者と一層連携を図りながら、県・市町、民間団体で立ち上げた
えひめ移住交流促進協議会を推進母体といたしまして、
オール愛媛の体制でさらなる移住の促進に取り組んでまいりたいと考えておりますので、今後とも御指導をよろしくお願いいたします。
○(
男女参画・
県民協働課長)
男女参画・
県民協働課でございます。
このたびは御提言どうもありがとうございます。御提言いただきました女性が働きやすく、
キャリアアップができる
地元企業育成のための
環境づくり、優良企業の積極的な
情報発信につきまして、まず、現在の県におけます
女性活躍推進に関する取組について御説明させていただきます。
県では、平成28年度から従来のイクボスに
地域活性化の視点を加えたひめボスを推進しておりまして、トップの意識改革と女性等の人材育成を一体的に展開することで、働きやすく働きがいのある
職場環境づくりを進めているところでございます。トップが組織の働き方を変えていくという意思表明を行っていただいたひめ
ボス宣言事業者は、昨年12月末時点で903事業所になっております。
また、それぞれの事業者が
女性活躍推進等の自主目標で定めた数値目標の達成数に応じて認定する制度、ひめ
ボス事業所plus、plus+につきましては、令和2年度から開始しまして、昨年12月末現在で計91事業所を認定しております。
次の
スライドを御覧ください。
このような
女性活躍や仕事と家庭の両立など、積極的に取り込んでいただいている事業所につきましては、提言で触れていただきました隔年で開催しているひめ
ボスグランプリにおきまして表彰を行っております。令和3年度に開催しました第3回
グランプリでは、
テレワークの導入やデジタルの積極的な活用、会社からの評価の見える化など、働きやすく働きがいのある
職場環境整備の事例等が発表されました。
グランプリには、社内初の育休取得からの復帰後、御自身の経験を基に仕事と
子育て両立のためのマニュアルを自ら作成し、出産後も安心して働ける
環境づくりに積極的に取り組んでいるひめボスが選ばれました。
このような
県内事業所の優秀な事例につきましては、
取組事例集の配布や
県ホームページでの
情報発信などによりまして幅広く周知を図っており、
県内事業所における積極的な取組を働きかけているところでございます。
次の
スライドを御覧ください。
職場の人材育成につきまして、女性の部下を持つ管理職を対象にした
マネジメント研修や一般的には同一組織内で行われる
メンター制度ですが、本県では組織・職種の枠を超えたオリジナルのものとして実施し、女性の就業継続や
キャリアアップを支援しているところでございます。
また、下の側になりますが、令和2年度から第2子以降の出生に大きな影響を与えるというデータでもある男性の家事・育児への参画促進に積極的に取り組んでおります。料理、洗濯、整理整頓などの
家事実践講座の開催等を通じたカジダンの育成や大学生と企業が仕事と家庭の両立等について話し合うことで、それぞれの意識改革を促す講座などを開催しております。
カジダンの取組は、本県の
女性活躍の大きな推進力となるとともに、
少子化対策の鍵ともなる重要な取組であると考えておりますことから、当事業とひめボス事業の両輪で愛媛の
女性活躍を積極的に推進しております。
次の
スライドを御覧ください。
これは
人口減少対策重点戦略の抜粋になりますが、今後は仕事と育児の両立と女性が活躍できる
職場づくりに向け、愛媛県
版イクボスでありますひめ
ボス宣言制度を拡充し、就業継続を希望する女性の出産退職ゼロ、男性の育休取得の促進などの
両立支援や女性の再雇用等に取り組む企業等への重点的な支援措置を創設することを考えております。これらの取組を進める企業・事業者への県内外への積極的な
情報発信などもこれまで以上にPRの強化を行ってまいりたいと考えております。
また、管理職の意識改革に向けた研修会や先ほどの
メンター制度拡充による人材育成の充実、次の
スライドになりますが、職域を超えた交流の拡大など、
女性活躍の推進に主体的に取り組む企業等への幅広い支援に取り組みますとともに、あわせて、男性の
育児休業取得や
家事シェア促進のための
セミナー開催、企業・事業者等に対する相談体制の充実など、働き方に応じた男女の家事・育児のシェアについても推進してまいりたいと考えております。
今後とも今回いただきました御提言を踏まえまして、企業・事業者と行政が協働して男女ともに力を発揮できる環境整備を促進し、女性が活躍でき、女性からも選択される愛媛となることで、県全体の持続性と活力の維持・発展につながるよう取組を進めてまいりたいと考えております。
○(
子育て支援課長)
子育て支援課でございます。
今回の提言ありがとうございます。
提言の主眼は、
若年女性の
転出超過に着目した取組とのことで、当課の取組は
県内企業への就職に直接資するものではございませんが、
人口減少対策として取り組んでおります結婚支援、特に県外の若年層への対応を中心に御説明させていただきたいと思います。
まず、センターの概要でございます。県では平成20年に
えひめ結婚支援センターを開設し、複数人で交流する
出会いイベントと1対1のお見合い「愛結び」を軸に結婚を希望する独身男女に出会いの場を提供しておりまして、令和4年12月末までに1,400組を超える成婚の御報告をいただいておるところでございます。
イベントを主催する応援企業や所属社員にセンターの取組を周知する協賛企業、会員の活動をフォローする
ボランティア推進員など、多くの企業や人に御協力いただきながら
結婚支援事業を展開しているところでございます。
次の
スライドをお願いいたします。
令和3年度には、会員登録からマッチング、
ボランティア推進員によるフォローまで一貫して
オンラインで実施可能であり、居住地にとらわれずイベントやお見合いに参加していただけるようになりました。加えてイベント、お見合い前後に
参加者同士でメッセージのやり取りをする
グループメール機能と
ビデオ会議機能を組み合わせた
オンライン婚活を本格導入し、現在は従来の対面形式に加え、
リモート形式での出会いの場も提供しております。さらに令和3年12月には、「お
うちde愛結び」を開始しました。従来、県内各地に設置された
愛結びコーナーに来所する必要があった相手の検索やお見合いの申込みが、会員自身の
スマートフォン等から実施可能となり、より便利に「愛結び」を御利用いただけるようになっております。
その結果、令和3年度には、
オンラインイベントで121組、
オンライン愛結びで64組のカップルが誕生しておりまして、一定の成果が出ているものと考えております。
また、令和3年度からは、結婚に関心のある主に県内外の20代を
ターゲットに
デジタルマーケティング手法を用いて広報を行い、若年層・
県外在住会員の拡大を図っているところでございます。効果検証、広告の改良を行いながら若年層がよく活用しておりますインスタグラムや
ツイッター等に
オンライン広告を配信し、20代の
新規会員登録数は、令和2年度383人から令和3年度は683人、前年度比300人増、県外在住の
新規会員登録数は、令和2年度85人から令和3年度は206人、対前年度比121人増になったところでございます。
今後も従来の対面形式の支援に加えまして、
オンライン婚活と
デジタルマーケティングに取り組み、
県内在住者に限らず進学や就職で転出した若年層をはじめとする
県外在住者にも愛媛での結婚を働きかけることで、県内での成婚者の増加、将来の愛媛への
転入候補者の増加を目指したいと考えております。
最後の
スライドをお願いします。
この
結婚支援センターを中心とする取組のほか、提言を踏まえまして取り組む県内での就職や定住促進をより実効性の高い
少子化対策へとつなげるため、昨年10月に公表しました
えひめ人口減少対策重点戦略に基づき、県・市町の連携により結婚したい人が結婚でき、理想の人数の子供を持てる
環境づくりを推進するべく、
えひめ人口減少対策交付金の創設に向けた対応を進めているところでございます。
さらには、結婚・出産しやすい
環境づくりとしまして、若年層に対して出会いの場の提供や妊娠・出産に関するリテラシー、知識や理解の向上を図る
県独自事業も織り交ぜながら、あえて高い目標として設定しました2026年の出生数8,500人の達成に向けて、市町や経済団体、企業等と連携しながら取り組みたいと考えております。
○(
労政雇用課長)
経済労働部労政雇用課の吉高と申します。このたびは御提言、誠にありがとうございました。
当課からは、御提言をいただきました女性が働きやすく
キャリアアップができる
地元企業育成のための
環境づくりに関しまして、企業における仕事と家庭の
両立支援を推進するための取組につきまして、御説明をさせていただければと存じます。
スライドの右下の12ページを御覧いただければと思います。
県では、仕事と育児等の家庭生活が両立しやすい
職場環境づくりに意欲的に取り組む
県内中小企業の拡大を図るため、
えひめ仕事と家庭の
両立応援企業認証制度を創設してその普及に取り組んできたところでございます。
制度の概要図でございますが、
ピラミッドの下、黄色部分の基本認証につきましては、各種法令に基づく行動計画の策定や
両立支援制度の
規定整備等を要件としておりまして、認証件数は681社、それから
ピラミッドの上、
オレンジ色部分の上位認証につきましては、
両立支援制度の利用実績や働き方の見直しを要件としておりまして、認証件数は54社となっております。
スライドの13ページを御覧ください。
女性・男性の
育児休業取得率につきまして、本県と全国を比較したグラフでございます。先ほどの認証制度を活用した着実な取組の成果もございまして、女性は全国と比較して高水準に推移し、男性につきましても、令和3年度の調査で全国水準を上回っております。ただし、男性の育児休業につきましては、ワーク・ライフ・バランスの実現であったり、子育てにおける女性の孤立化を防ぐ上で重要な取組として政府目標の30%が掲げられている中で、さらなる上昇が必要でありまして、また、取得期間につきましても1か月未満が約86%と、子育てを担う上で十分とは言えない状況となっております。
なお、その下でございますが、男性が育児休業を取得しなかった理由につきましては、国の調査におきまして、収入の減少、職場風土、制度の未整備が回答として多い結果となっております。
スライドの14ページを御覧ください。
こうした現状も踏まえまして、令和3年6月に公布された育児・
介護休業法の改正概要でございます。主要な改正事項としましては、1のとおり男性が子の出生後8週間以内に最大で4週間、分割2回まで取得可能な産後
パパ育休制度が創設されたほか、2にございますとおり、事業主に対して育休の取得を円滑にするための雇用環境の整備や労働者への働きかけが義務づけられております。
また、この制度改正をきっかけに国で男性向けに
育児休業制度の内容であったり、休業時に支給される給付金、
社会保険料の免除に関して分かりやすくまとめた
リーフレット等を活用して、周知啓発を強化しているものと承知しております。
スライドの15ページを御覧ください。
県でもこうした制度改正の動きを踏まえまして、今年度、働き方改革のコンサルタントと
社会保険労務士をお招きして改正法のポイントや男性の育児休業の実践手法を学ぶワークショップ形式の企業向けセミナーを開催させていただきました。実際に参加した労務管理部門の担当者からは、セミナーの内容を社内にフィードバックしたことで経営者の意識改革に結びついて社内全体で推進機運が高まったと聞いておりまして、県内参加企業の取組の好事例の収集と横展開を図っていきたいと考えております。
最後に、今後の対応につきまして、労政雇用課では、先ほど御説明がありました
重点戦略に基づいて、仕事と育児が両立できる
職場環境づくりのさらなる推進を図ることとしておりまして、就業継続を希望する女性の出産退職ゼロの実現、希望する男性の
育児休業取得100%の実現などの高い目標に取り組む企業に対する支援措置を関係課とも連携の上で検討しております。
こうした支援を通じまして、御提言をいただいた女性が働きやすく
キャリアアップができる
地元企業育成に努めてまいりたいと思いますので、引き続きどうぞよろしくお願いします。
○(
産業人材課長) 産業人材課でございます。
このたびは御提言、誠にありがとうございました。
若者の価値観が変化し、
情報発信のツールが日々進化している中、委員から御提言ございましたとおり、就職を目指す
若年女性に着実に伝わるように様々な媒体を使って
情報発信を行うということは、若者の県内就職や
県内企業の人材確保を促す観点からも極めて重要であると認識をしておりまして、いただきました御意見、御提言を踏まえつつ、
人口減少対策に実効性のある取組を進めてまいりたいと考えております。
それでは、若者の県内就職等、企業の人材確保の支援に関する取組について説明をさせていただきます。
先ほど御説明いたしました
えひめ人口減少対策重点戦略に掲げる対策のうち、産業人材課では主に学生等に対する
情報発信、支援の強化に関する取組を進めております。これまでもジョブカフェ愛workにおいて、若年者を対象とした就職から職場定着に至るまでのきめ細かな支援や
県内企業の人材確保支援を総合的に実施するなど、企業と若者のマッチングや地元就職、UIJターン就職の支援に取り組んできたところであり、具体的には、キャリアコンサルタントによる職業相談、若年者向け就職支援セミナー、LINEやインスタグラム等のSNSを活用した
情報発信、ウェブ合同説明会や
オンライン交流会など、企業と学生のマッチングイベント、
オンライン採用活動や内定辞退防止のノウハウを学ぶ
県内企業の採用力強化を目的としたセミナーなどの取組を進めております。
これらの取組に加えまして、
重点戦略に掲げる対策に迅速に対応するため、新たに就職活動が本格化する大学3年生等を対象といたしました県内就職促進キャンペーンを昨年12月から展開しているところでございます。
次の
スライドをお願いいたします。
まず、キャンペーンの第1弾といたしまして、ジョブカフェ愛workが実施する就職支援に関する情報を県内外の若者に効果的に発信するため、12月1日に公式のウェブサイトを全面リニューアルするとともに、これとあわせましてジョブカフェ愛workの新規登録キャンペーンを実施いたしました。12月1日から15日までのキャンペーン期間中に利用登録を行った計100名の学生等に、就職活動に役立つオリジナルグッズを配付いたしました。
次の
スライドをお願いいたします。
次に、第2弾といたしまして、ジョブカフェ愛workで実施している県外学生が県内で就職活動に必要となる交通費の助成制度につきまして、インターンシップや会社説明会から採用面接まで採用内定に至るまでの一連の就職活動を継続して支援できるように、昨年12月から1人当たりの利用回数の上限を1回から3回に引上げを行いまして、年間最大6万円まで助成することとしたほか、奨学金返還支援制度につきましては、昨年5月末まで募集を行っておりました令和5年3月卒業予定者に係る助成対象者50名の追加募集を開始するなど、学生向けの支援制度を拡充したところでございます。
次の
スライドお願いいたします。
さらに第3弾といたしまして、ふるさと愛媛Uターンセンターの東京・大阪おしごと相談窓口におきまして、東京事務所、大阪事務所との連携の下、東京圏・大阪圏の学生を対象とした
県内企業との交流イベントの開催を予定しております。具体的には、2月9日、10日の2日間にわたり計6社が参加する東京圏の学生をメイン
ターゲットにした
オンライン座談会を開催するほか、2月16日には大阪市内において企業3社が参加する集合形式の座談会を開催することとしております。
次の
スライドをお願いいたします。
最後に、その他の取組といたしまして、昨年の12月から県・市町、民間事業者が主催する就職支援イベント等の情報をジョブカフェ愛workのLINEで月1回定期的に配信しているほか、年末年始の帰省のタイミングで本県出身学生に県内の就職支援に関する情報をお届けできるよう、昨年12月末に帰省先となる保護者住所宛てにダイレクトメールを送付したところでございます。
○(
高校教育課長) 高校教育課でございます。
このたびは御提言、誠にありがとうございます。
本課からは、高校卒業者の
県内企業への就職について御説明いたします。
愛媛県
教育委員会では、教育基本方針・重点施策の柱の一つとして、確かな学力を育てる教育の推進と未来を担う人材の育成を定め、Society5.0時代を見据えたキャリア教育、産業教育等の充実を図り、地域を担う人材を育成しようとしているところでございます。
今回、御提言では、人口流出の要因として、県内高校を卒業した後、県外に進学した大学生等が地元企業への就職活動で障害を感じていることの一つに、企業情報の不足を挙げているとの調査結果が取り上げられておりました。高校教育課においては、2つの既存事業における取組に加えて、今回の知事選挙で公約に掲げられていた高校生段階における地域課題解決プログラム、ソーシャルチャレンジfor High Schoolにおいて、高校生が地域の課題について地域社会と連携しながら解決を図る取組の実施を検討しており、在学中に地元企業や事業者、地域の魅力等を知り、地元で暮らし、働くことを考えるよい機会となり、県外への人口流出に歯止めをかけることに貢献できるのではないかと考えております。
22ページの
スライドを御覧ください。
まず、既存事業について御説明いたします。
1つ目は、高校生キャリアプランニング推進事業です。本事業は、県立高校全日制課程全55校において、全生徒に自分の将来を見通したキャリアプランを設計させ、主体的に自分のキャリアを形成する生徒を育成しようとするものです。キャリアプランを考えるヒントとして、地元企業等でのインターンシップ及び地域で活躍する方を講師として実施する人材育成講座等を実施することとしており、Uターン就職して地元企業で働いている卒業生、県内各研究機関等で活躍する研究員、県庁職員、市町役所職員、各業種事業者等に協力していただき、生徒に本県の企業等、職場の情報を伝えていただいております。
また、本事業においては、新規卒業の就職者に対して教職員による就職先訪問等、卒業後のフォローアップを行うことで、高校生の地元定着を増加させる取組も実施しています。
次の
スライドを御覧ください。
2つ目は、えひめ未来マイスター育成事業です。本事業は、農業、工業、商業、水産、家庭、福祉の全ての職業学科において、地域や産業界と連携した実践的な取組を通して、各専門分野の卓越した技術・技能を身につけるとともに、
県内企業への理解を深めることなどを目的に実施しており、将来、地域産業を支える専門的職業人の育成を図るものです。
具体的には、農業における関連企業等での体験研修、商業における地域資源を活用した商品の開発と販売、水産における漁家、水産食品会社等による講演、実技指導を行うことで、職業学科の生徒全員に優れた経営力や最先端技術等に触れさせ、自己の進路選択に主体的に取り組む態度を身につけさせることとしています。
また、現在検討中のソーシャルチャレンジfor High Schoolにつきましては、高校生が地域の課題について地域社会と連携しながら解決を図る体験的な活動を実践することにより、地域に愛着を持ち、将来、地域社会で主体的に活躍する人材が育成されることを期待しております。
○(
西原進平委員長) ありがとうございました。
以上で理事者の説明は終わりました。
画面同期を解除します。中央に発表者が会議を終了しましたの表示が出ますので、オーケーを押してください。これで同期は解除されました。
これから議題に関する皆さんの御意見や質疑をお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
○(黒川理惠子委員) 大変丁寧な御説明、また、本当に日進月歩している政策の御説明が本当にすばらしくて、ありがとうございました。
何点かお尋ねしたいんですが、まず
えひめ人口減少対策重点戦略の中でお尋ねしたいのが2点あります。1点が移住政策を始めてかれこれ、5年は経過したのではないかと思うのですが、現時点でIターン・Uターン者の定着率というのがIターン・Uターンに分けてもしお分かりなら3年、せめて5年たたないとある程度成果というか、実態的なことが分からないと思うんですけれども、もしそういったものがありましたら教えていただきたい。また、雑誌の中で若者が移住したいということで西条市、そして2023年には今治市が全国1位を取ったと大変すばらしいんですけれども、愛媛県に集中しているということで、県の政策のバックアップがすばらしいからだろうと思って感謝しているところでありますので、その辺のバックアップの一番のポイントとかも教えていただけたらと思います。
それと、
子育て支援課の資料で、以前にお願いしていた
結婚支援センターの1対1の「愛結び」の申込みが、以前は各ステーションでしかできなかったのが、今は個人のスマホから1対1のお見合いの相手が選べて申し込めるようになったということなんですよね。本当に大変すばらしい。ありがたいなと思います。それはお礼を申し上げたかっただけです。
○(
地域政策課長) まず、移住の関係でございます。
Iターン・Uターン別の定住の状況でございますけれども、そちらの数値等につきましては、私どもの方では手持ちがございません。と申しますのが、我々の移住者数のカウントにつきましては、各市町における転入届の窓口でのアンケートでございます。匿名性も配慮しておりますので、その後の移動につきましては現実的に把握できていないというのが現状でございます。
ただ別のデータといたしまして、地域おこし協力隊という制度がございますけれども、その協力隊の方の定住率は、愛媛県は全国で10位となっております。定住率という数字で申し上げますと、全国の平均が65.3%で、愛媛県におきましては、69.5%となっておりまして、他県から来た方が愛媛に住みやすいと思って定住していただいているものと考えております。
また、それに関連いたしまして、私どもの方で地域人材起業支援事業といたしまして、協力隊の方が卒業される際に補助金をお出ししている制度がございます。そちらの数字をいいますと、過去に39の事業に対しまして補助させていただいております。中身につきましては、協力隊時代に培った地域資源を活用したとか、人脈を活用したビジネスをやりたいといったような内容でございます。その39の事業のうち、愛媛に残っていただいているのが38ということで、ほとんどの方が愛媛に残っていただいているというデータがございますので、こちらにつきまして御紹介をさせていただきたいと思います。
続きまして、住みたい
田舎ベストランキングの関係でございます。今回、委員におっしゃっていただきましたように、今治市、西条市が4つの部門で、全部の部門ですけれども、制覇したという形になっておりまして、非常に心強く感じておるところでございます。
また、参考に時間の都合で総合部門だけ御紹介させていただきますけれども、四国だけでカウントいたしましても、1位から10位までで9自治体が愛媛県になっており、愛媛県の市町が移住者に非常に評価されているということがうかがえようかと思います。
その際に県のバックアップ体制でございますけれども、やはり県と市町の役割分担といたしまして、インターネットを使うとか、あとは東京・大阪で移住フェアをするとかといった愛媛県の魅力のPRは県でさせていただくと。移住を検討していますと相談に来られた方を市町にうまくつないで、市町で相談に乗り、住宅であるとか、仕事であるとか、そういうところをしっかり紹介して移住に結びつけていくと、そういうところが評価されていると思っております。
さらに既に移住をされている先輩移住者とか、あと地域おこし協力隊の先輩、そういう方が丁寧に相談に乗っていると、そういうことも理由に挙げられたと思います。
○(黒川理惠子委員) それで、先ほどの65.3%が全国で、県が69.5%というのは何年の数字か教えていただきたいのと、あと、基本的なことなんですが、移住の定義は、国で聞いたところによると、国としてははっきりした全国的な定義はないけれども、会社の辞令とか、そういうのではなくて、本人の意思で移動したというのを移住と一応定義しているみたいなことを言っていたんですが、愛媛の中ではそれが皆さん統一されているのかというのが2点目です。それと、先ほどの地域資源を生かしたビジネスを利用した補助金というものの正式な事業名を教えていただけたらと思います。
○(
地域政策課長) 先ほど私が申し上げました地域おこし協力隊の定住率の数字は、令和2年度末現在の数字でございます。
また、移住者の集計の仕方でございますけれども、各県でそういう定義をつくってアンケートを取っているというところでございます。愛媛県といたしましては、転勤・進学等のやむを得ない理由からではなく、地域への愛着や
田舎暮らしへの志向などの理由で県外から転入し、定住が期待されるものと定義して、市町にお願いして転入届の受付窓口でアンケートを行った結果を集計させていただいているところでございます。
補助金につきましては、地域人材起業支援事業でございます。
○(黒川理惠子委員) ありがとうございます。
○(
西原進平委員長) 関連でちょっといいですか。
移住者の定住率というのは、先ほど市町だから分からないと言ったけれども、そういう何でいなくなったとか、続いているとかいうのは分からなくて、県はPRすると言っているけれども、現状を知らないでそのPRができるのか。要は追跡調査をしなかったら足らないもの、足るもの、そういうものが出てこないのではないのか。それが出てきて足らないんだったら何を足していかなきゃいけないかを県が考えてPRしなきゃいけないのではないかと思うんだけど、追跡調査というか、その辺は市町がやるんだろうけれども、県からそこらはしっかりとお願いをしていかんと、PRの材料にならないと思ったりするんだけど、どうですか。
○(
地域政策課長) 今言っていただいた御指摘につきましては、ごもっともだろうかと思います。ただ、調査の仕方といたしましてアンケートという手法を取っており、地域おこし協力隊等、実際に県で補助金等を支出させていただいている方々につきましては、ある程度その辺の数字を押さえることができておるんですけれども、そうでない方につきましては、通常の転入・転出という形になりますので、実際の個々の人という流れでは十分数字を押さえ切れていません。恐らく市町によりましては、実際に移住された方に定期的に相談に乗られて押さえておられる方々もおられるかと思いますけれども、県といたしましては全体の数字は持っていないというのが現状でございます。
○(武井多佳子委員) 私は、この若年者の積極的な雇用と賃金給与の向上というところでもう少し詳しく聞きたいんですけれども、ここが一番肝腎要なところです。若者の雇用があって賃金や給与が向上することが結婚への意識の高まりにもつながるし、子供を持つ、産み育てるということにもつながることで、一番そこのところが重要な部分だと思うんです。
先ほど女性の民間企業の
育児休業取得率が90%と言われていましたけれども、90%ではなくて、育てる分母の女性の数がどうかが一番問題だと思うんです。そこにちゃんと目を向けていかなかったら、これは
人口減少対策に本気で取り組むことにはならないと思うんです。
それで、その前のページをちょっと見ています。8ページのところで愛媛県出身の県外大学生が県外で就職・起業をする理由で何を重視するのかというところで、希望する業種や職種が少ないが55.3%、首都圏などと比べて年収が少ないが39.5%となっています。ここのところにかなり力を入れていかなければ、本当に
若年女性の
転出超過を防ぐことはなかなか難しいと思うんです。
そこで、愛媛の企業における採用の男女の差とか、就労形態における男女の実態は、現状一体どうなっているのか。これは以前、経済企業委員会では、正規職の中の3割が女性で、非正規労働の中の8割が女性だという大まかなデータを聞いたりしました。やはりここの県内における女性の就労状況とか、賃金とか、県でも人事委員会では女性の採用割合なんか決めているわけなんですけれども、県内の民間企業では女性の採用に対してどのような目標を持っていらっしゃるのかという現状をしっかり把握した上でどう改善していくかというふうに持っていかなければ、本当に
若年女性が県内に帰ってくるということにはなかなかつながりにくいと思うんですけれども、その実態をどのぐらい県としてつぶさに把握しているのか、そこのところをまず聞きたいと思います。
○(
労政雇用課長) 私の方でお答えできる範囲でお答えさせていただければと思いますけれども、まず、令和2年の国勢調査によりますと、本県における非正規労働者数が17万2,438人となっておりまして、雇用者数52万1,990人に占める割合が33%となっております。女性の雇用者数は、25万4,746人で、女性の非正規労働者数は12万9,233人でありまして、非正規労働者が占める割合が50.7%となっております。非正規全体に占める女性の割合が約75%になっております。
それから賃金に関してなんですけれども、令和3年の賃金構造基本調査によりますと、女性の所定内給与の額が男性に対して77.7%の水準になっております。男性が29万2,600円、女性が22万7,400円となっております。この格差の少なさでいうと全国で14位になっております。
○(
産業人材課長) 産業人材課でございます。
私からは、新規の学卒者の県内就職状況、男女の状況について少しお話をさせていただければと存じます。
厚生労働省愛媛労働局が毎月、今の段階ですと月次での就職状況を発表しておりまして、まず、令和4年3月末現在の状況を申し上げますと、大学等、これは短大・高専等も含むものでございますが、就職内定を受けた女性が1,743名ございまして、うち1,090名が県内の企業に内定をいただいているという実績でございます。
それが一昨年度との比較で申し上げますと、就職内定数自体、全体の女性の数も、女性に限らずなんですけれども、
人口減少で減っておりまして、前年から比べると内定をもらった女性の数は4.2%減少に対し、県内に就職をした女性の減少率というのは1.1%のマイナスという状況でございますので、女性全体の内定を受けた数の減少の割には県内の内定者の方が減っていないという状況で、県内に比較的とどまっていたというのが昨年度の実績でございます。
今現在の直近のもの、これはまだ仮定段階ですので、まだ状況が変わってくる要素がございますが、今年度につきましては、11月末現在は大学等の女性内定者は1,272名おりまして、そのうちの668名が県内の企業から内定をもらっているという数字でございます。
前年同月と比較いたしますと、女性の内定者数というのは10.9%の減、11月末現在の状況でございます。これに対しまして県内の内定者は18.8%の減ということで、昨年度は県内に内定をもらった女性は全体と比較して減少率が少ないという状況だったんですけれども、今年度は逆に増えてきているという状況でございます。ただ11月末現在ということで、今後、また年度末に向けて状況も推移してまいりますので、そのあたりについては注意深く見ながら状況を把握していきたいと考えております。
○(武井多佳子委員) 後でよく聞かないと分かりにくかったですけれども、ここに、今言っていただいたのは、男女格差が少ないので全国14位というのはちょっといいかなと思います。この賃金自体が全国で、どのぐらいの位置なのかというのがありますけれども、内定した男女の割合はどうなんですか。やはり男性の方が圧倒的に多くて女性採用の方が少ないとか、やはり企業が採用してくれる女性も多くないと増えていかないわけなんですけれども、今言ってもらった内定が決まった数はどちらも女性の数だったんですよね。男性と比較した場合にその差はないんでしょうか。そのあたりを数字として上げて企業にも御理解いただかないと、
若年女性の雇用というのは進まないんじゃないかなと思うんですけれども、そこのところをお答えください。
○(
産業人材課長) 直近でいいますと、昨年度と11月がございます。申し訳ございません。その
アプローチの分析までできておりません。
○(武井多佳子委員) 後で私が聞きに行ってでいいから。
○(
産業人材課長) ありがとうございます。
○(
西原進平委員長) それでいいですよ。
11時15分まで休憩します。
午前11時6分 休憩
――――――――――――――
午前11時18分 再開
○(
西原進平委員長) 再開いたします。
○(山崎洋靖委員) 今日は御説明ありがとうございました。
今日の委員会では、7つの課の皆さんに御説明をいただいたんですけれども、気になった点があります。それは、産業人材課では、企業の採用に対する強化も必要であるということと、高校教育課では、学生たちが企業情報等の不足を意識しているということをお伺いいたしました。各企業がせっかくイクボスとか、女性の働きやすさとかを一生懸命活動している中で、昨年、私は経済企業委員会だったんですけれども、ホームページを見ると、リクルートに関する企業情報があまりに少ないのではないかという感じがいたします。リクルートの大手サイトに任せきりだとかいうことで、やはり各企業で、うちの会社はこういうふうに女性に配慮している、将来こんな夢があるとか、そういう
情報発信が必要だと思うんですけれども、各企業のホームページとか、そういう
情報発信に対して、昨年、予算がついて実行されたと思うんですが、そのあたりの実施状況等をお聞かせいただけたらと思います。
○(
産業人材課長) 昨年度の事業、中小企業人材確保デジタル化支援事業というものがございます。この内容につきましては、デジタルによる
情報発信を行うための例えばホームページをつくったり、機器を整備したり、また、伴走支援が必要な方については伴走も必要に応じて行っていくというものでございます。令和3年8月に募集を開始したところ、37社に対して支援を行うとともに、専門家による個別支援が必要だというお申出をいただいた企業が14社ございましたので、そちらに対しては伴走支援を行ったところでございます。
○(山崎洋靖委員) この採用にはこういう
情報発信が必要だということで、ぜひこういういい事例を企業の方々にも、拡大していっていただけたらと思います。そうすることによって今の学生たちまたは東京で就職している方たちが愛媛に帰ってくる一つの大きなツールになるのではないかと思いますので、よろしくお願いいたします。
もう一点よろしいでしょうか。
結婚支援のことですけれども、現在センター以外の婚活の活動はどういうものがあるか把握されておりますか。また、そういう県の
えひめ結婚支援センター以外の婚活のところに何か県が支援を行っているのかお伺いしたいと思います。
○(
子育て支援課長) 県以外のところでの支援ということでございますが、例えば民間の結婚相談関係の会社が当然県内でも活動されているということはあるんですが、こちらで何かを取りまとめているようなことは特段しておりません。
結婚支援センターとちょっと絡みがあるんですけれども、市町で結婚支援をするような事業で
結婚支援センターと連携してやっていることがあるということは承知しております。
○(山崎洋靖委員)
えひめ結婚支援センターも非常に実績を伸ばしているんですけれども、とにかくこの少子化を含めて待ったなしの状態ということで、そういうふうな活動、昔で言えば本当にお見合いの仲人センターとか、そういうところもフル動員で行っていく必要があるのではないかなと思います。
それからそれに関連して、
オンライン愛結びのお見合い成立数と、それからカップル数の率がすごく高いような気がするんですけれども、そのあたり高いと認識しているのか、また、もし高いと認識しているんであればそれはどういう理由なのか、お分かりになれば教えていただきたいと思います。
○(
子育て支援課長)
オンライン婚活のカップル成立等が通常の対面の分よりも少し高めということは認識しております。その理由はという話になりますと、いろんな心理的な面もあろうかと思いまして分析等はできていないんですけれども、
オンラインの場合ですと、画面を通してになるのでよくお話を聞けたりするのかと思ったりはしています。利用者の方に両方とも活用していただいて細かにどっちがどうだった、便利だった、不便だった、やりやすかったという比較のような話での分析は特段は行っていない、聞いておりません。
○(山崎洋靖委員) 最近、ちまたでは、カップルができたきっかけはというと、そういうお見合いサイト、スマホのサイト、アプリとかが結構増えてきている感じがしますので、この
オンラインというところにちょっと視点を集めて、また、調査をして有効的な婚活につなげていっていただけたらと思います。
○(菊池伸英委員) 今お話が出ていたので関連で、まず、
えひめ結婚支援センターの件。
今すごく聞くんですよね。うちの娘、愛媛の婚活で結婚することになりました、ありがとうございますと、僕が県議会議員しているものだからお礼まで言われます。すごいなと思って、一般の婚活センターより、県がやるというのはそれだけ信用があるんだなと。最初、この
えひめ結婚支援センターが出来たときには、行政がする婚活は一体どうなのかという形でスタートしたんですけれども、どんどん認識が上がってきて、今はもうすごい勢いで若い人たちも抵抗がなくなってきているんだなと感じています。
そのことについてですけれども、これは本人たちより、親御さんに対しての
アプローチが成功しているのかなと感じるんですけれども、保護者の人たちが積極的に動いてきているのか、それとも本人たちのほうが積極的に取り組んできているのかというのを教えてほしいんです。
○(
子育て支援課長) 親御さんを対象とした婚活の説明会みたいなものは実施しているんですけれども、親御さんたちを対象にした分が増えてきているからとか、子供さん御自身が頑張っていらっしゃるのかというところまでは詳細な分析はしておりません。この
結婚支援センターももう長年やっておりまして、成婚数も多いという実績もある、そういったところを皆さんに広く認識していただいているということは、使いやすいあるいは安心して使えるというような信頼に結びついてきているのかなと感じるところではございます。
○(菊池伸英委員) ちょっと私の聞き方が悪かったかもしれないですけれども、私の認識では、保護者の方が一生懸命この
結婚支援センターに
アプローチをしているように感じましたので、ちょっと気に留めていただければと思います。
続けていいですか。
人口流出の件についてですけれども、相変わらず東京の一極集中が続く中で、コロナ禍が落ち着いたらさらに私は進むんじゃないかなと思っております。そうした中、国の岸田政権がデジタル田園都市国家構想で地方にいても快適に仕事ができるというような形を今推し進めていると思うんですけれども、私も議会で質問をさせていただきましたが、それに対して我々愛媛県も、この人口の流出を止めるに当たって、デジタル田園都市国家構想にのった都市整備が必要だと思っているんですけれども、都会から愛媛県に引っ張ってくるに当たって、これに関連して何か策を打ち出しているんですか。
○(
総合政策課長) 委員御指摘のとおり、今回の人口移動の状況では、コロナ禍が落ち着いて経済活動が再開ということで、東京への人口の流出傾向が現れたというところは大変危惧しております。
まだコロナ前の状況までの人口流出規模になっていないのですけれども、コロナ禍で人々の意識の変化とか、デジタルとか、そういったものを活用した暮らし、そして働き方に対する意識の変化というのは、経済活動が再開したからといって直ちにリセットにはならないのではないかと思っております。
希望的なところを含めまして、コロナ禍で地方のよさとか生き生きと働くこと、そして生きがいといいますか、暮らしやすさとか、そういったものが改めて見直された結果が、移住の伸び率として今治市、そして西条市などの住みたい都市の上位になっていると思っております。
今回、デジタル田園都市国家構想においては、これまでの地方創生交付金が取り込まれておりますけれども、各部局の
人口減少対策については、地方創生の取組等の中で交付金を活用することで、人口流出を抑えたいと考えています。進学等で出ていくのは止められることではございませんので、ただ出ていった方が就職の段階になって、
県内企業のよさであるとか、魅力をしっかりと頭に入れていただいて、やはり地元に戻ろうという流れになるように、各部局で予算化されております
人口減少対策に地方創生の交付金なども出ております。当然デジタルを活用した働きやすさも加わっておりますので、転出した方以上の数の方に戻っていただきたいというところでしっかりと考えております。
○(菊池伸英委員) ぜひ今の政府の基軸でありますこのデジタル田園都市国家構想にのって、その流れで進めていただければと要望にしておきます。
大阪圏への
アプローチ、これはもうすごく賛同いたします。関西エリアの
アプローチ、流出、そしてインバウンドなんかも関西に関連してどんどん連携するべきじゃないかということを私は議会の質問でもずっと訴えております。そういった中、大阪圏への
アプローチ、これは本当に時宜を得たものだと私はすごくうれしく思っております。
そういった中で、東京事務所と大阪事務所の位置づけについて私が前回から質問をしてきていると思うんですけれども、今後、愛媛県はこの大阪事務所はどういった位置づけにするつもりなのか、よかったら教えていただければと思うんですが。
○(
西原進平委員長) この辺は答えられるのか。ちょっとこれは難しい。
○(菊池伸英委員) では、最後にもう一点だけいいですか。
資料5の13ページの育休を見てもらったらと思うんですけれども、この下の枠の中に男性が育休を取得しなかった理由があり、収入を減らしたくなかったからが41.4%、その後の取得しづらい雰囲気、取得への理解不足と
育児休業制度が整備されていなかったの2つを合わせたら48.6%になるわけなんですよね。まずは厚生労働省のデータというのは、これは愛媛県のデータですか。まずそこを確認したいんですが。
○(
労政雇用課長) こちらは全国の調査になりますので、愛媛県だけに特化した調査ではございません。これを足し合わせても100%にならないんですけれども、その他にも回答が少なかったものは幾つかございました。今回は多かった回答を3つピックアップさせていただいたところです。
○(菊池伸英委員) 我々県議会の
特別委員会に出すに当たって、県の方も同じようなデータを取ることはできないものなんですか。
○(
労政雇用課長) 育児休業に関しては労働者の申出に基づいて行うもので、実態という意味では労働者に直接調査をしなければなりませんが、当課でやっている調査等は基本的には企業を対象にした調査なので、こういった労働者の意識を吸い上げるにはなじまないかなというところです。本県の状況につきましては、令和4年7月に一般財団法人地方自治研究機構と本県の
企画振興部が合同でやった調査の中で調査項目を設けさせてもらったんですけれども、回答といたしましては、職場に制度がなかったというのが40代の男性49%、それから職場のメンバーに迷惑をかけるとの考えというのが約31%で30代の男性から、それから収入の減少が約23%で30代の男性からの回答が多くなっております。
○(菊池伸英委員) 我々が一般的に感じるのは、育休を取ってもいいよと、取ってもいいけれども、給料下がるよと。取りたいんだけど、給料が下がって生活が厳しくなるので家庭内で話し合った結果、休みを取らずに働くという話がよく耳に入ってきます。それとあわせて、このデータにも出ていますように、休みを取りづらい雰囲気があるというのもすごく耳にします。企業の中で育児休業を進めている企業と進めていない企業というのが出ていると思うんですけれども、その中で取得しづらい雰囲気を何とか払拭するように県が働きかけることだけでもしていただければ、あとはもう給料のことで、取る取らないというのは当事者たちが決めることです。取りたくても取れる雰囲気じゃないということが心配なんですけれども、そのあたりについての御意見を聞かせていただければと思います。
○(
労政雇用課長) 委員から御指摘もいただきました、まず収入の関係なんですけれども、育児休業はノーワークという形になるので、基本的には企業から支給されるお給料はない状況になるんですけれども、国から育児休業期間中180日間は、休業前賃金の67%が支給されることになっており、それ以降は50%になっております。また、その期間については、
社会保険料が免除されることになるので、実質的な手取りは休業前の8割と言われているところでございます。
こうした制度に関して男性は、国の実態調査によりますと、育児休業給付金については約45%、それから
社会保険料の免除関係については約65%は知らなかったと回答しているところでございます。なので、この収入の減少を懸念すると回答された男性がこうした制度を知った上で回答したのか、それとも知らずに回答したのか、そこは調査のデータからは分からないんですけれども、まずは制度の周知に力を入れていくことが何よりも大事だと思いますし、改正育児・
介護休業法で本人に対して取得意向の確認等が義務化されていますので、我々としましても、こういった制度の周知をしながら職場で育休が取得しやすい雰囲気を醸成していきたいと考えているところでございます。
こうした考え方で
人口減少対策重点戦略の中でも希望する男性の育休取得100%の実現を企業にお願いするという方向で、それに伴う支援策の検討を現在進めているところでございます。
○(古川拓哉委員) 人口ビジョンについてお伺いします。愛媛県で手塩にかけて育てた人材を都市部に取られて、また、その都市部から呼び戻すために汗をかかなきゃいけないということで、大変苦しい思いをしているなというのを感じるわけなんですが、この長期目標で、2060年までに人口100万人を確保するということなんですけれども、これはどういった積み上げで100万人という数を出しているのか。やはりそのあたり市町との連携ということも重要になってくるし、各市町がそれぞれ目標を持ってもらわないと、この100万人という数は出てこないと思うんですけれども、そのあたりの積み上げについてお伺いしたいんですが。
○(
産業人材課長) 御質問の2060年の人口100万人の確保につきましては、平成27年に人口ビジョンを策定したときにおおよそ100万人とさせていただいております。といいますのが2060年に、直近の推計では78万人になりますけれども、約80万人、そしてそこから25%上乗せをして100万人規模とした経緯がございますので、積み上げた結果が100万人ということではございません。人口が減少する中でも、こういった100万人の規模があれば現行の社会経済システムが大きく変わることなく維持できるのではないかとも思っております。
また、こうした目標達成のためには、当然県だけではなくて市町の取組も大変重要となっております。来年度から各市町、そして県の取組が本格化する中で、例えば県はこういう取組をいたします、市町はこういった取組をいたしますと、そういった市町の目標値の積み上げが県の積み上げとなりますので、そこは市町とも連携を取り、お互い目標をすり合わせながら情報
共有等を図っていきたいと考えております。
○(古川拓哉委員) 例えば新居浜市だったら2060年に、何もしなければ7万6,000人ぐらいになるだろうとか、各市町も数値を出していると思うんです。なので、そのあたりしっかり把握して積み上げていかないと、何となく漠然と、この数字に25%掛けてこれをやろうという時期はもう過ぎたんじゃないかと思うんです。これ以上傷口が広がっていったらその傷口を埋めるということも不可能になってくると思うので、そのあたりは上から目線でもいけないわけですけれども、しっかり市町と連携してこの100万人なら100万人という数字をどういうふうに出すかをもっともっと細かく詰めていってほしいと要望をしまして、終わらせていただきたいと思います。
○(
西原進平委員長) 皆さん方が提言をされて、今日、7課のそれぞれお答えをいただきました。これはこれからという話もございます。また、再選されましたら次期に皆さん方にしっかりと検証していただいたらいいんじゃないかなと思っています。
○(
毛利修三委員) 転入・転出について、説明では、松山市は
転出超過になったということでちょっと気になっておるんですが、どうなんですか。その説明のときに松山市の周辺に流れたということと、松山市の受入れ機能が弱くなったというような話をされたかと思うんですが、ひとつ周辺に流れたということなら、こういう話は単純に行政、松山市であるとか、砥部町であるとか、市町の区割りではなしに、生活圏というか、そういうことで判断すべきであると思うので、そんなに心配要らんかなと。かえって松山圏域が広がっていっておるというような捉え方もできると思うんですが、しっかり数字をつかんでないとしても、松山市の生活圏としては
転出超過ではないというようなことが言えるかどうか、まずそこをお聞きしたいですね。
○(
総合政策課長) 転入・転出の状況でございますけれども、今回、松山市の社会増減が大きく
転出超過となっております。これは先ほどの資料5ページのとおり、対前年度で比較しますと1,031人の減少、
転出超過数は675人というところで、周辺の
転入超過は、例えば伊予市は57人、東温市は123人、そして松前町が88人、砥部町が204人となっておりまして、単純にこれらを積み上げても松山市の
転出超過数を補うことはできていません。
また、冒頭、そういった生活圏として松山市の周辺に人口が流れている可能性があるというところと、または人口のダム機能というところを申し上げさせていただきました。といいますのが、今回
転出超過となっておりますけれども、コロナ前、令和元年には松山市は社会増減が88人の
転出超過となっております。これがコロナ禍を経まして令和2年は156人、そして令和3年は356人の
転入超過ということでした。これは東京とか大阪とか、県外への転出、進学を考えていた方の受け皿としてある程度、松山市が受け止めていたのではないか、そういった意味で人口のダム機能が働いていたと推測されます。今回は
社会経済活動の再開に伴いまして人口移動の規模が大きくなり、ダム機能を越えた結果が表れたのではないかと考えております。
○(
毛利修三委員) 松山市というか、松山圏域が
転出超過になったということなら、やはり大事な問題でありますので、しっかりと対応していただきたいと思います。それに関連すると思うんですが、先ほどトカイナカという話がありました。これは実際に移住する家族にとってはより現実的で、純粋に農業をしたい、田舎に行きたいというようなことももちろん大事ですが、それだけではなかなか割り切れないと。子供の教育やらいろいろな文化的なことやら、そういうことを考えたら非常に現実的なのがトカイナカということになろうかと思うんですね。
そうすると、松山というか、松山市周辺ということも、また、結びついて大事になってくるという意味で持ち上げておるんですが、しっかり頑張っていただきたいと。
いずれにしても、都会の東京、大阪に流れないように、少なくとも松山を含めた愛媛にということとは思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
○(西田洋一委員) まず、前段としてそれぞれの課で少子化あるいは
人口減少対策に努力をいただいておるんですが、1つは都会と我々地方という言葉が出ましたけれども、恐らくこれから都会のほうが大企業が多いので、こういう政策がすごく出てくると思います。例えば子育て支援でこれを無料にします、こんなことをやります、もっと企業内で女性に対する支援策あるいは家庭の支援策をやりますと、どんどん都会のほうが出てくると思います。それに対抗する我々が愛媛なら愛媛のものを作り上げていかなくちゃいけないので、そういう展望を一つ考えながらそれぞれの課で施策の遂行をお願い申し上げたいと思います。
もう1点、高校教育課からマイスター育成事業ということで、子供たちが専門的な技術を持って、地元で、愛媛で働きたい、こういう結びつきができたらいいなと我々は思っておるんです。たまたま今、愛媛県県立学校振興計画策定の最中でして、新しい計画に基づいた高校の魅力づくりというか、どういったところで子供がそれぞれの高校に入学してくるかというような話題もあるんです。
そこで出たのがここに書いてあるマイスターで、農業・工業・商業・水産・家庭・福祉、こういったものが高校時代に基礎プラスアルファで専門の資格とか、経験とか知識とかを得る機会が充実できたらもっと進学意欲が出るし、こういったことで勉強したいという生徒を県内外からも引き寄せられるんじゃないかという意見が今出ております。
それと一緒になってくるので、私はこのマイスター育成事業は、非常にすばらしいと思うんです。これは、1つは新しい高校になった場合に、まずは学校の先生が変わってくるという意識、それと地元でどういった人材が要るかという企業、産業とのマッチング、そういったものが必要になってくるので、ほかのところで企業との事業もありましたけれども、フルに生かして直接学校へ行ってそういう経験を子供に積んでもらう。これもここに6つ、こういう形の中で生産者や企業や団体がどんどん入っていって子供に刺激を与えられるようなことをお願いしたいんですね。そして企業側は、この職に就いてくれたら20年、40年、60歳、65歳の定年まで一生懸命やったらこういう形になりますよ、家も持てますよ、家族も持てますというような形をつくってあげないと、どうしても都会の魅力に引っ張っていかれるので、この高校に対して相当、積極的に
アプローチをかけていく。我々が出していく、接触していくと、こんなことが必要なのかなと思って期待をしております。
この前、長谷川淳二代議士と地域で話していたら、農高でドローンの資格を取れたらええのになと、工業高校で、工業科へ行って免許をそこで取れたらええのになと。自衛隊に行ったら大型の免許が取れます。こういうようなことになったら子供も、その高校に行けばある程度資格や免許が取れる、勉強すればできるということだったらもう少し上がってくる。それをまた地元の産業の人たちが引っ張り込んでいくというこの流れというのができないかなという思いだけを述べましたけれども、ちょっと感想です。
○(
高校教育課長) 今までも高校教育課では、企業の方に来ていただいて講演会をしたりあるいは企業見学会等もしてまいりましたけれども、今お話にありましたように、もう一歩踏み込んで地域の企業のためにどんな人材を育成したらいいのかというところをやっていかないといけないと考えております。
県内の事例としましては、例えば今治工業高校の機械造船科において造船人材を育成して、その造船コースの子はほとんど造船業界に就職しているとか、あるいは川之石高校の福祉コースで福祉人材を育成しまして、非常に高い国家試験の合格率を誇っている。そして、地域の福祉のために役立っていくといった事例もございます。そういった事例をどんどん増やしていけるように検討していかなければならない。
これは再編整備の対象校だけではなくて、対象になっていない学校においても地域と連携したそういう話合いによって地域人材育成のための学科の在り方を検討していかなければならないと思っておりますので、また、今後とも進めてまいりたいと思います。
○(西田洋一委員) 例えば大洲農業高校が大洲高校と統合という案があります。私は一緒になるかならんかは別として、大洲には畑があります。今の時代ですから耕作放棄地もあります。紅まどんなを作れませんかと、ハウスで作れませんか。これも高校でやってもらいたいんですよね。そしてもう少し今の農業の形態を変えて現代的な農業経営、スマート農業になるのかどうか分かりませんけれども、そんなことをやってもらいたい。そして大人というか、農業なら農業の生産者にこんなやり方でこれだけの実績が上がるという経験をしてもらうことが非常に重要なのかなという感じがするんですね。
ですから、もう一歩踏み込んで、先ほど言いました造船科なんかでは非常にマッチングしていますよね。あるいは福祉なんかの国家試験のレベルも高い、これはすばらしいと思うんです。そういうものを農業・工業・商業・水産業ですね。水産業なんかは結構水産高校は船の免許ですか、航海士とか、ああいった資格が取れるということで全国から結構来られているという話も聞くんですけれども、そういった形に変えていくというやり方、私は、当然お金が要りますので、予算もつけながら今度の再編計画のときに、しないところも含めてどうあるべきかということを県としてされるべきということを要望にしておきます。
○(浅
湫和子委員) 先ほどの西田委員と関連してなんですが、移住支援にとっても高校の存在とか、今回の再編整備は本当に大事なこととなります。そういったところとの横のつながりで進めていただきたいというところと、あと、実は5年間ずっと移住するところを探されて愛媛を選んだ方がいたんですが、やはり移住をされてそこで高校がなくなるもしくは形態が変わるというところは、本当に重要なことだという声も聞いています。これは提言なんですけれども、県立高校の再編計画との横のつながりをもっと求めていっていただきたいと思います。
あともう一つは、これは理事者の方とあと私たち委員両方なんですが、実はコロナ禍が始まって去年の2月ぐらいから非常に愛媛県でも超過死亡や、それから出生率の低下があります。これが本当にひどい状態です。こういったことも来年につながっていけばいいなという提言になります。
○(
高校教育課長) 御質問ありがとうございます。
今、移住に関連したお話なんですけれども、7月に発表した原案の後の地域説明会とかパブリックコメントにおいても同様の御意見をいただいておりますので、これらに対して丁寧に対応してまいりたいと考えております。
○(浅
湫和子委員) ありがとうございます。期待いたしておきます。
○(
西原進平委員長) 今日、7課の皆さんに来ていただいて、今年一年、特に働いてくれるだろうと期待をして質疑を終わりたいんですけれども、よろしいですか。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
○(
西原進平委員長) 次に、調査報告書についてでありますが、当委員会の経過と概要については、2月議会の最終日に文書で提出したいと思っております。
なお、その報告書の内容については、私に一任願うことで御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○(
西原進平委員長) 御異議ないものと認め、そのように決定いたします。
以上をもちまして当委員会を終わるわけでありますが、この4年間いろいろと皆さん方にお世話になり、また、最終年度には勉強チームを立ち上げるなどしましたので、古川副委員長の方から所感とお礼を、言いますか。
○(古川拓哉副委員長) 西原委員長の下で委員の皆様、そして理事者の皆様とともに円滑な委員会運営、また、提言の提出などもできたということを心から感謝を申し上げたいと思います。
今後は、この提言を提言で終わることなく、実行力のあるものに変えていきたいと思っておりますので、また、皆さんと共にしっかりとやっていきたいと思います。そのことが愛媛の発展にしっかりつながっていくように我々努力していきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします。本当にありがとうございました。
○(
西原進平委員長) 私からも一言、この委員会でいろいろなことをさせていただきました。参考人もしっかり呼ぼうよと、外部の参考人も呼ばせていただきました。また、理事者を呼ばない委員だけの委員会もさせていただいた。そして提言しようということで、今ほど副委員長が言ったように、チームをつくってやらせていただきました。本当に異例ずくめだったんですけれども、皆さん、多分快く御賛同いただいてお付き合いいただきましたことをうれしく思っております。これだけ中村知事が前へ前へ進んでいるとき、我々愛媛県議会もしっかりと、三重県には遠く及ばんにしてもしっかりと変わっていくことを願いながらお礼にさせていただきます。どうも4年間、本当にありがとうございました。
閉会いたします。
午後0時2分 閉会...